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■旧暦の「夏」は長い? (その1) 「いや~、今日はずい分冷えるなと思ったら今日(2025/7/4)は、 地球が1年で一番太陽から遠ざかる日でした。 冷えるわけですよね。」 日本では、真夏に当たるこの時期ですから、読者の方の中に冒頭に書いたよ うな「冷えるな」という感想を持った方はいらっしゃらないと思いますが、 今日は地球が太陽から1年で一番遠ざかる日であることは確かです。 こんな特別な日ですから、暦のこぼれ話でもなにかこの特別な日にかかわる ような、暦の話がないかな? と考えた結果たどり着いたのが 『旧暦の「夏の季節」は長い』 という話題です。 ◇旧暦時代の暦月と季節の関係 旧暦時代は、12の暦月を3つづつに分け 春 一月・二月・三月 夏 四月・五月・六月 秋 七月・八月・九月 冬 十月・十一月・十二月 のように季節に割り振っていました。 正月(一月)は春の初めの月なので「初春」、八月は秋の二番目(仲)の月 なので「仲秋」などと呼ぶのは、この考えがあったからです。 現在、私たちが使っている暦(グレゴリオ暦、いわゆる新暦)であれば、一 年はいつも12カ月なので、この説明だけで問題ないのですが、旧暦には新暦 にはない、厄介な存在があります。それは閏月(うるう づき)。 およそ3年に1度くらいの割合で閏月と呼ばれる臨時の月が現れ、一年が13カ 月となる年が出来るのです。 ◇旧暦の暦月区分での「今年の夏」の長さ。 ちなみに今日、2025/7/4は旧暦では六月十日ですが、今年は閏六月がある年 なので、およそ1カ月後の2025/8/3もまた六月十日(閏六月十日)です。 すでに書いたとおり旧暦時代は、四~六月が「夏」とされましたので今年は 夏 四月・五月・六月・閏六月 と夏が旧暦では4カ月あることになります。 旧暦の暦月の区分で考えると、今年の夏は他の季節より1カ月ほど長いこと になるのです。私のように、夏の暑さも平気という人間はともかく、夏が苦 手だという方には、つらい年となりますね。 ◇旧暦の暦月区分で考える「季節の長さ」比較 今年は旧暦の閏月が六月に入るため、暦月区分で考えた暦の上の季節では、 夏が長くなることが分かりましたが、これは今年だけの話でしょうか? そ のあたり、気になりませんか? 私は気になります。そしてこのメールマガジンをお読みくださるような変わ った方々、いえ、奇特な方々であれば気にならないはずはないと思いますの で、旧暦月区切りでの季節の日数を比べてみました。結果は 春 25.02% , 夏 25.76% , 秋 24.78% , 冬 24.44% となりました。 この数値は1901~2050年までの150年分の旧暦の日数合計を100%として、春 夏秋冬それぞれに属する暦月(閏月も含む)の日数の割合を計算した数値で す。 これを見ると、わずかながらですが夏が他の季節より長い(日数が多い)こ とが分かります。一番長い季節は夏、対して一番短い季節は冬で、その差は 1.32%、日数で表すと、4.8日ほどの差となります。 なぜこのようなことが起こるのか? その理由として一番に思い浮かぶのは「閏月」。 「閏月」が現れる回数が、夏は多く冬が少ないのではないでしょうか? ま ずはこの点を確かめてみましょう。 一月 0回 , 二月 7回 , 三月 7回 (春 14回) 四月 8回 , 五月 13回 , 六月 8回 (夏 29回) 七月 6回 , 八月 3回 , 九月 1回 (秋 10回) 十月 1回 , 十一月 1回 , 十二月 0回 (冬 2回) これは、1901~2050年までの旧暦に現れた閏月の回数です。 これを見ると、五月(閏五月)が13回もあったのに、一月や十二月には閏月 が1度も現れていません。季節ごとの回数を見ると 春 14回 , 夏 29回 , 秋 10回 , 冬 2回 となり、夏が圧倒的に閏月の出現が多い季節であることが分かります。 これだけ多く、臨時の月である閏月が夏に現れているのですから、旧暦の暦 月区切りの季節で夏が長くなってしまうのも、当たり前の話です。 とここまで書いてきて、夏の時期に閏月が多く出現すること、それが理由で 旧暦月の区分での季節で夏が長くなることは解ったと思いますが、なぜこう なるのか、そしてこの記事の初めに書いた 「地球が1年で一番太陽から遠ざかる日」 と、どう結びつくのか? 察しのよい方は、本日の暦のこぼれ話のタイトルに (その1) があったことで、お気づきだと思います。 そうです、この話はまだ先があるのです。 ですが、本日の記事も大分長くなってしまい、皆さんもお疲れのことと思い ますし、何より私が疲れましたので、この続きはまた次回とさせていただき ます。 次回まで、なぜ夏に閏月が多いのか、そしてそれが「地球が1年で一番太陽 から遠ざかる日」とどう結びつくのかなど、思いを巡らしつつ、次回の記事 をお待ちください。
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