月齢カレンダー(解説)
ここは、月齢カレンダーの内容の解説ページです。月齢カレンダー等の計算と表示は、
- 月齢カレンダー・・・一月単位で表示するタイプ
- 年間月齢カレンダー・一年単位で表示するタイプ(画像小)
- 年間朔望表・・・・・新月・上弦・満月・下弦の正確な時刻表
- 月出没計算・・・・・月の出没時刻・南中高度などの計算
用語や、概念の解説
- 毎日の月齢と月のかたち
上の月齢カレンダーは1ヶ月分の毎日の月齢とそのころの月のおよその形を示したものです。
月齢は、新月(朔)から何日経過したかを表し、「月齢+1の整数部」が旧暦の日付とほぼ一致します。
月齢カレンダーで表示する月齢は、計算地での毎日正午(12時)のものです。時刻についてはその値の地方標準時で計算しています。この場合の地方標準時と世界時との差は「世界時との時差」に表示しています(時差の値はデフォルトとしてJavascript によって得たシステムの値から求めています)。
時差の値が正しくない場合、あるいは他の地域での計算結果を表示したい場合は、「世界時との時差」の数値を変更して計算して下さい。例えば日本標準時に基づいて計算する場合、時差の値は「+9時間」)となります。 - 今月の新月、満月、半月(上弦と下弦の月)
月齢カレンダー本体の前に「月の朔望」として示した表は、計算した月の新月~上弦~満月~下弦の日時をあらわしたものです(新月等については、月の満ち欠け(朔望)の話参照)。時刻が「24時」となっている場合は、「23:30~24:00」の間にその状態になったことをあらわしています。仮に次のような表示があった場合、
例: 15日 24時 満月(望)
これは、16日 0時と表示されたものとは違いますのでお間違えのないように。
このような処理は、旧暦の日付を計算するような場合に「朔(新月)を含む日が月の始めの日」となりますので、時刻の部分を四捨五入した結果が24時になっても、これを翌日の0時にすると計算が狂いますので、この予防措置です。 - 月までの距離について
月齢カレンダー表示月の1日から32日間の地球中心と月中心の距離の変化をグラフ化して表示しています。近年、スーパームーンなど、見かけの大きな月が話題となることが多くなりましたので参考まで追加しました(2023.4.7)。当然ですが、距離が近いほど月が大きく見えます(平均距離は38万4400kmです)。
- 月齢と朔望
月齢は、新月(朔)を迎えた瞬間から何日経過したかその日数を表すものですので、新月から次の新月までの間は、毎日同じ時刻の月齢の端数(小数部分)は、同じになります(月齢はどうして決まる?参照)。
また、新月から新月までの長さ(これを「朔望周期」といいます)はまちまちですので、
十五夜の月 = 月齢15の月 = 満月
という関係が成り立つとは限りません(月齢0が新月ということだけは確実ですが)。
月の呼び名表示については、旧暦の日付に対応した呼び名としました。現実の形とは最大2日程度、ずれが生ずることがあります。 - 月の様々な呼び名と、命名の規則(こよみのページの場合)
月齢カレンダーでは、オプションとして月の呼び名を表示する機能があります。
ただし月の満ち欠けとその呼び名は、見かけや見える時期(日付や、時刻)などによって様々で、一つの月が複数の名前で呼ばれることもありますし、地域差もありますので全ての月に一意の名を付けるのは困難です。そこで「こよみのページ」では一定の規則を作って、この規則によって決定した名前一つだけを表示することにしています。月齢カレンダーに表示された月の呼び名はあくまでも、そうした月の呼び名の一例に過ぎないことをお忘れなく。
月の呼び名及びこよみのページで使用しているこの一定の規則については、
月の満ち欠けと呼び名
月の満ち欠けと呼び名2・こよみのページの場合
にまとめておりますので、上記記事をお読み下さい。 - 1872年以前の日付に注意
「歴史上の日付の月齢が知りたい」と言った要望が有ったため、計算期間を1590~2099年に広げましたが、結果表示は全てグレゴリウス暦(現在使用している、いわゆる新暦)の暦日によっています。
1872年以前は、日本において旧暦が使用された期間ですので、歴史上の日付と月齢の対応を調べる場合には注意してください(新暦と旧暦の変換は、新暦と旧暦のページで行えます)。 - ずっと昔、ずっと未来の朔望時刻の使用の注意
現在の前後100年くらいなら、数分程度の時刻の誤差ですが、「200年以上も前」の日付を調べるとき、「分単位」の問題を論じないでください。これは月・太陽自体の位置計算の問題でより、地球の自転速度の変化を正確に見積もれないことによって生じる誤差です。4~500年前であっても30分くらいの時刻の差を大目に見てくれれば実用にはなります(こうした用途の場合はあくまでも「参考」としてお使いください)。 - 月齢と潮名(しおな)
海の満ち干は月と太陽の位置関係によりほぼ決定されます。このため同じく月と太陽の位置関係により変化する月の満ち欠けの様子と潮名は密接な関係があります。海辺に暮らす人たちはこの関係を経験的に知っており、古くからと月の満ち欠けの具合から潮(潮汐)の状況を表す潮名を用いていました。
潮名 意 味 大潮 干満の差が大きな時期 中潮 〃 が中程度の時期 小潮 〃 が小さな時期 長潮 干満の間隔が長く、変化が緩やかな時期 若潮 干満の差が大きくなり始める時期
太陰太陽暦が使われていた時代は、日付と月の満ち欠けはほぼ連動していましたから、潮名は日付によってほぼ決まっていたと考えられます。現在の暦では日付と月の満ち欠けの間にはこうした特別な関係がありませんが、日付の代わりに月齢を用いればほぼ同じようにその日の潮名を知ることができます。ただし、潮名と月の満ち欠けとの関係はあくまで経験的に決められたものですので地方によって名称が異なっていたり、同じ名称でも意味が異なる場合などがあります。また、それぞれの潮名がいつからいつまでといった定義があるものでもありません。
- こよみのページでの潮名決定に用いた定義について
既に書いたとおり、潮名は各地で経験的に呼び習わされたもので明確な定義はありませんが、計算的に求めるために計算可能な何らかの数値によって近似的に潮名を定義することは可能で、そうした定義がいくつか発表されています。
月齢カレンダーは、そのうちの3つの異なる方式によって潮名を表示することが出来るようになっています(2007.7.3~)。3つの方式とは、
- こよみのページ方式(月齢による方式。こよみのページで定義)
- 気象庁方式(月-太陽黄経差。気象庁潮汐参考資料による)
- MIRC方式(月-太陽黄経差。日本水路協会海洋情報センターHPより)
月齢カレンダーの潮名定義資料 潮名 (1)こよみのページ式
(月齢 (※注意))(2)気象庁方式
(月-太陽黄経差)(3)MIRC方式
(月-太陽黄経差)大潮 29~ 2 348~ 36° 343~ 31° 中潮 3~ 6 36~ 72° 31~ 67° 小潮 7~ 9 72~108° 67~103° 長潮 10 108~120° 103~115° 若潮 11 120~132° 115~127° 中潮 12~13 132~168° 127~163° 大潮 14~17 168~216° 163~211° 中潮 18~21 216~252° 211~247° 小潮 22~24 252~288° 247~283° 長潮 25 288~300° 283~295° 若潮 26 300~312° 295~307° 中潮 27~28 312~348° 307~343° ※注意
こよみのページ方式は月齢の小数点以下を切り捨てて判定しています。
上記表中の数値は小数点以下を切り捨てた数です。
参考資料について
PV ( ) since 2008.7.8